ヘルシースマイルは、皆様のお役に立つお口の情報コーナーです。
第5回:お口の役割
口は単なる食べ物の入り口ではなく、とても大切な”センサー”です!
皆さん、食べるときのことを思い浮かべてみて下さい。食べ物を口に入れる前に、まず目(視覚)で食べ物がどのような状態であるかを判断します。目と鼻での関門を越えて口に入った食べ物は、歯で噛み砕かれます。そこで感じるのは、味覚による食べ物の味や体性感覚(触覚や温度感覚など)による食べ物の温度や硬さや滑らかさ、嗅覚による香りなどです。そして、耳(聴覚)では、食べ物を噛む音を感じます。つまり、五感をフル回転させて、食べ物からいろいろな情報を感じとっているのです。lさらに、噛むことで食べ物が壊れて、味や匂いを強く感じることが出来、歯ざわりや噛みごたえなども、噛んでこそわかることです。図は、Penfieldによる脳の機能分担を示したものです。これは、体内の皮膚感覚が、脳のどの部分を刺激しているのかを表しています。上唇から咽頭まで、口に関連した部分の情報が、全体の約三分の一を占めていることがわかります。脳での分担量は、その器官の大きさに対応しているのではなく、感覚情報の重要さに対応しています。口の大きさは体全体から見れば小さいものですが、口での食感や温度感覚が、人間にとっていかに大切なのかがわかります。
実際に”食べる”行為において、歯・舌・頬・唇・唾液は、どのような働きをしているのでしょうか?それぞれの機能について左の図に示しました。こんなにも多くの機能が作用して、”食べる”行為が成されているようです。しかし、これらの機能には高齢化による機能低下や障害(外傷、脳障害、神経障害)によるダメージなどのいろいろな理由で変化が起きていきます。そのとき、次に示す口唇、舌体操を行うことで、残っている機能の維持や回復を促すといわれていますので参考にしてみて下さい。
画像はクリックすると大きくなります。