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口腔乾燥症(ドライマウス)について
口が渇いて困っていませんか? 成人のおよそ4人に1人、中高年女性に限ると2人に1人が口腔乾燥症(ドライマウス)に悩んでいるといわれます。
具体的な症状は口の渇きに加え、つばが出にくく、口の中がネバネバしたりヒリヒリします。また、舌に白いカスがつく、ひどい口臭、入れ歯が合わない、食べ物の味やにおいがおかしいなど多岐にわたります。
しかし、そうした症状があっても原因が口腔乾燥症だと気づいていない人は意外に多いのです。ここでいう口腔乾燥症とは、いわゆるのどの渇き(口渇)とは異なり、口の粘膜の渇きのことです。
口渇は脱水や糖尿病などさまざまな全身疾患により起こる体内の水分不足によるもので、水を飲めば改善します。
それに対して口腔乾燥症は、いつも口の中を潤している唾液が減少したり、口腔の機能が衰えることで起こる持続性の口の乾燥であり、水分をとっても一時的な効果しかありません。
唾液が減る原因は、若年者ではよくかまない食生活、中高年者ではストレスや常用している薬の副作用、女性ならば更年期によるものもあります。また、男女とも70歳を過ぎると唾液のネバネバが増して量も減ってしまいます。80歳以降では唾液の量が半分以下になるという報告もあります。
口腔の乾燥症状を改善するための処置は、口腔粘膜の積極的な保湿が中心となります。
具体的には、口の中に水や人工唾液を定期的に噴霧する、舌などの粘膜に市販の保湿用ジェルを塗ることですが、口腔粘膜の上では水分がとどまりにくく、効果は一時的なものです。
唾液の分泌を改善する方法として、唾液腺マッサージや口唇・頬そして舌の体操、漢方薬の服用などがありますが、誰にでも有効なわけではありません。しかし、マッサージや体操は効果を感じる方も多くいます。
また、シュガーレスガムをかむことは唾液の分泌を促す効果が高いので、口の乾燥が気になる人は上手に使うとよいでしょう。
-北大病院歯科診療センター兼平孝講師 どうしんウェブ 北海道新聞 2011年8月より
*保湿ジェルやスが―レスガムの種類や使用方法は歯科医院で確認してください。