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最新脳科学でわかったストレスの正体
現代の日本で、ストレスを全く感じることなく毎日を送っているという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
「毎朝、混んだ電車で通勤するだけでもぐったりする。」
「会社で上司の顔をみると胃が痛くなる。」
「一日中、子どもと二人きりで部屋で過ごすのがつらく感じる。」
「夫、(妻)と冷戦状態で、家にいること自体がストレスだ。」
誰でも多かれ少なかれ、このようなストレスを感じていることでしょう。
実はストレスは二種類あります。一つは「体のストレス(身体のストレス)」、もう一つは「脳のストレス(精神的ストレス)」です。
ストレスは、過酷な状況に置かれなければ感じないものではありません。
例えば、気候の変化や運動、痛みを感じること、風邪を引くこと、人ごみを歩くことなどもストレスです。
私たちは日常生活の中で、ストレスなんかなくなればいい、少しでもストレスを減らしたい、と思うものです。
しかし、ストレスは必ずしも悪いものではないのです。
例えば、「痛み」というストレスを感じなければ、ケガやヤケドは避けることができないでしょう。
ストレスは、危険を回避させるという重要な役割も果たしているのです。ストレスが私たちの体を守ってくれるいう一面もあるということを、知っておいて下さい。
一方で私たちは、ストレスを長く感じると、身体的・精神的に悪影響を及ぼすことを経験的に知っています。たとえば、ストレスで胃潰瘍になるケースや、うつ病になるケースなどがそうです。
ストレスで、身体的・精神的病気が発症する経路は、同じストレスが原因であっても、それぞれまったく別のものだということがわかっています。
身体的ストレスの場合、視床下部→下垂体→副腎皮質を介して、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、その結果体に影響を及ぼします。
精神的ストレスの場合、視床下部→脳幹を介して、脳の中のセロトニン神経の機能を低下させてしまいます。
セロトニン神経は、脳の中でセロトニンという神経伝達物質を使って情報を伝達している神経です。セロトニン神経が活性化するとセロトニンの分泌が増え、情報伝達がスムーズにおこなわれるようになります。反対にセロトニン神経が弱ってしまうと、セロトニンの分泌が減り、情報伝達が滞ってしまいます。
近年になって、このセロトニン神経の働きが弱まることで、うつや、パニック障害といった精神的な病気を引き起こすことがわかってきました。つまり、精神的なストレス、脳ストレス解消の鍵は、セロトニン神経がにぎっているのです。
「ストレスに強い脳・セロトニンを活性させる」
4つのポイント
①太陽の光を浴びる
朝がベスト
②リズム運動(一定のリズムで筋肉の緊張と弛緩を繰り返す運動)
ウオーキング、ジョギング、自転車、山登り、ヨガ、フラダンスなどの他、
咀嚼(ガムでもOK)や呼吸、家事といった日常生活で自然に行われている
動作を意識的にやる事もリズム運動です。
③スキンシップ
会話、井戸端会議、マッサージ、ペットとふれあい
④情動の涙
悲しいときや感動したときには脳の前頭前野が活性化され「情動の涙」がながれ、
副交感神経が刺激されリラックス状態になります。
誰でもできるシンプルなものだと拍子抜けされるかもしれませんね。どの方法も、5分ほどおこなえばセロトニン神経にスイッチが入り、脳内のセロトニン分泌量も増えていきます。20~30分続けるのが理想的です。
大切なのは、一度にたくさんやるよりも、毎日続けること。時間的にも体力的にも負担がかかるものではないので、ぜひ毎日の習慣にして下さい。